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〖短歌〗・・・久し振りの歌会(10月)

毎年8月は猛暑の最中の為もあり、歌会は休みです。
(9月の会は私自身が用事で欠席となったので)
3ヶ月ぶりとなりました。^^;



では、今日の作品。。


夕時のカボチャスープの仕上がりて 実りの秋とハロウイン浮かぶ



実は最初は「カボチャスープの黄色見て」と書いておりましたが。。


夕焼けの色、カボチャスープの色、秋の色(全般)、カボチャ=ハロウイン・・・の色

「色がいっぱいあり過ぎる」ということと、
「カボチャのスープなら、誰でも色は知ってる」といううこと、
あと「見る」「見た」「見て」などの言葉は短歌で使わない方がいいとの事、

それらから上の歌に訂正してもらった訳です。




どうしても一首だけ、三十一文字だけ、、、となると言いたい事も限られますが・・・
私としても「色」の部分は表したかった。。


気持ちの面ではね(^^;
上で少し説明した「色」について&秋の色として共通してることと、
今は巷で「ハロウイン」が話題になってるけど、
数年前までは、「かぼちゃ」と言えば・・・「冬至」の方が思いついたかも?
という、その変化というか違いを気持ちの奥に置いて。w


なので、「かぼちゃ」を「カボチャ」と片仮名にしてみました。
「南瓜」と書けば・・・また違う歌にもなったかも・・・?

例えば、収穫した南瓜がどうとか、母親の味を思い出すとか、夫婦で食事する様子とか。
冬至に南瓜の意味を孫に教えたら、逆にハロウインの事を教えて貰ったとか。

・・・しかしw  私にはまだ孫は居ない~~~www  無理~w



そうそう。。
短歌でも想像の歌を詠うこともある様ですが、
出来れば、本当は現実のありさまを素直に(生活感が出てもok)との事です。
その方が、伝わり易く いい歌になると教えて頂きました。^^

続きはこちらへ・・・
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by sino-kotoha | 2013-10-28 23:39 | 短歌 | Comments(0)

『カメのおんがえし』  ・・・「あとがき」

この度は、私の創作小説「カメのおんがえし」を読んで頂き、
誠にありがとうございました。


最初は長閑な浜辺の風景、心が温まる交流・・・となっていましたが、
この様な結末になるとは ?! ・・・と思って居られた方もあったでしょうか。

実は、きっかけとなる部分は 序章から順に・・・と始まるんですが、
もう 既に 初めの方でラストシーンが出来上がっていて、
そこへと向かって行った訳です。

だから、「起承転結」の内の・・・特に「承」はアドリブの様なものです。
「承」で活躍したキャラクターといえば、先ずはカモメ達でしょう。
あと、雀もいましたが。^^;
(この辺りは自分の中で結構 楽しんでしまいました♪)



舞台は・・・海辺。
亀も出てくるし・・・「浦島太郎」を思い浮かぶ様でもありましたが・・・
実は(どちらかと言えば)、きっかけになった昔話は「鶴のおんがえし」です。

「鶴のおんがえし」といえば、おじいさんが鶴を罠から助けて、
御礼をしたい、恩返しをしたいと思った鶴(もしくは鶴の精?)が、
「娘さん」になって、機織りをし、それで恩返しを。。
自分の羽毛で織った素敵な反物をお金に換えて・・・、でしたよね。

「夕鶴」も・・・おじいさんの部分が青年(一人)になってるだけで、
内容は同じだったと思いましたが。。。



たった一つの条件&約束事、「決して覗かないでください。」を
最終的には〝見てしまう〟



これって・・・ある意味「欲」の内ですよね、「知りたい」という。。
また、その前に…いい値で売れる反物を「もっと織って欲しい」と願うのだから、
これも「欲」が出てきたということ。。


昔話は、ある程度似たパターンがあるようで、
「正直者」「慈悲の心、感謝の心を持つ者」に対し、「意地悪」「欲張り者」等あり、
正義があり、悪があり、、その中で「恩返し」の様なものも あったり。。


「良い行いをしたら 良い事(結果)があるよ」(悪い事すると罰が当たるよ)


子供の頃から・・・日本、外国の話、どちらでも、そう思って来ました。
勿論その通りでもあります。。

そして、その良くない事の方に「欲」絡みの事が多いですよね。
だけど、所詮、人間は「欲」で生きている。。
その辺を 物語に・・・特別悪い奴だから~じゃなくって・・・盛り込めれたらな~と
綴って来ました。。

だから、カモメ達が「人間は~・・・」なんて言ってたんですよ。^^


あ! 「所詮、人間は「欲」で生きている。」と言いましたが・・・

   「欲」だけで生きている

   「欲」で生きている

違うと思います。
上は、それこそ「欲を張っている=欲張り」ですよね。。

でも、「欲」に弱いという部分を持ってるのも人間。。
「生きたい為の欲」から「物欲の方へ」と変わり易い所も否めない…カナ?




恩返しとは?  
人間とは?(人間社会)
欲とは?

その辺りが、いつも頭にありました。
(それはカモメに演じてもらった。^^;)


だけど一番書きたかったのは、やはり「カメと青年」のことです。


上に在る様な「人間の業」みたいな・・・その中で、この二人は

どうなるんだろう? どうするんだろう?

と、言うことです。。



後半、玄関口にそっと真珠を置く様子・・・何か物語に気づきませんでしたか。
書きながら、実は「ごんぎつね」が頭にありました。
「浦島太郎」「鶴の恩返し」「ごんぎつね」を上手く組み合わせてやろう~とか言うのじゃなく、
昔話や童話などで綴られてることは、まともに読んだらそのままの意味だろうけど、
同じ様な状態の時、「1人のキャラ」として、どう考えるだろう、感じるだろう?
が、実は私の思いかもしれません。

なんせ、書いてる時は無心でしたがね。^^;


「ごんぎつね」も最後に銃で撃たれてから・・やっと気持ちが伝わった。(かも?)
ペットだって、毎日様子を見てる内に表情から何を求めてるかは把握できるようになる。。
「カメのおんがえし」の方は、、逆ですね。。

でも・・・心で交信出来た素直に受け入れられた頃は、、
字の如く「心友」同士だったんだと、思っていたい・・・なんて、作者の欲?w



これ以上言うと、言い訳や・・・話が止まらなくなりそうなので、ここまでにします。(笑





長くなりましたが・・・

最後まで 読んで頂き ありがとうございました。

また、コメントも頂き、大変励みにもなりました。


拙いものでありましたが、皆様、本当にありがとうございました。 







   原案
   (SNS系サイト=mixiにて。 日記の様に思いつきから…)
   書き始め・・・2009年2月15日
   終了・・・・・・・・・・・・・・3月29日


   第一回目の発表(別所のブログにて)
   2010年1月12日~2月10日


   他・SNS系のブログにて発表済
   2011/07/01~7/19
   2012/03/02~3/27



   当ブログにて発表
   2013年8月5日~10月11日(ラスト) …18日(アトガキ)







 
 
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by sino-kotoha | 2013-10-18 22:36 | 創作小説 『カメのおんがえし』 | Comments(8)

「カメのおんがえし」 最終章 ~願い、祈り、そして・・・~

亀の本体に向かって、少年の影が吸い込まれてゆく様に重なっていった。。



眠った体の亀の瞳が静かにゆっくりと開いた。。。




〝ありがとう。。。 お星さま~~。〟



今は まだ夜のなか。。。

まぁ~るい お月様は、だいぶ傾いたようだったが。。
どうやら、雲に隠れたらしい。。。

お月様も気兼ねしたのかも・・・。  カメの涙が見えない様に・・・。



カメは・・真っ暗な海に向かって 静かに潮騒を聴きながら・・・
自分の心に問いかけた。。。




        一つは、お星さまにお願いした。
        もう、カメのままでいると、言った。
        それが、一つ目の答え。。

        「言葉掛け」は・・勇気が無い。。
        「勇気」は、自分で持つものと教えてくれた。。
        ・・・「勇気」持てたら、にいちゃんに・・・
        ・・・・・・・伝えられるのかな。。。
        でも、今、出せない答え。。






〝ふう~ぅ~。。〟と、深~く 大きい溜め息をついた。。



そして、夜空を見上げ・・・、




〝今夜もいい星空だね。。   ・・・、ね、・・にい・・ちゃん・・・。。〟






初めて一緒に見上げていた夜のこと、思い出していた。。




お月様は雲隠れで見られないけど・・、その分 星達がたくさん見える。。







ス―――ッ・・・ひとつ星が流れた。





〝一緒に見たんだったよね・・・。 願い事言えない~~って言って・・・。〟







        願い事。。。
        願った事、望んだもの。。


        話ができて・・・うれしかった。 楽しかった。
        待ってる時も・・・
        ずっと 待ち遠しくて・・待ち遠しいくらい・・幸せだった。。

        一緒に海を泳いだ。
        ボクの・・・住む世界を・・・見せてあげる事・・できた。。。
        喜んでくれた。
        ボクも・・嬉しかった。。

        「恩返し」が出来るならと、「人」の手を欲しがった。
        そして、・・・人間に・・・少しの間だけ 人間になれた。。
        ・・・にいちゃんに「安心」を・・・あげること・・できた。。。



        にいちゃんと・・・『トモダチ』・・・だったんだよね。。
        だから、話が・・できたんだよね。。

        うれしいこと、楽しかったこと、安心できること。。。
        ボクも・・いっぱい、あったよ。。
        いっぱい、いっぱい、あったよ。。

        いっぱい、いっぱい・・・しあわせだった。。。
        ・・・生きていてよかったって・・思った。。
        ・・・生きてゆきたいって思った。。






        ありがとう!

        助けてくれて、ありがとう! 
        ・・・救ってくれて・・・ありがとう。。

        居てくれて・・・、気づいてくれて・・・、ありがとう。。

        ・・・『トモダチ』で あってくれて・・・ありがとうー! 










〝・・・なのに! どうして、涙が出て来るんだろうー。〟





星空を見ながら、そう叫んでいた。






また、ひとつ・・星が流れた。。



〝願い事。。ボクの願い事は・・もういいんだ。。
もう・・・叶ったんだ。。。叶ってたんだ。。。「恩返し」は出来ていたんだ。。〟




〝・・・ただ、・・・できれば・・・ただひとつ・・・。。〟



また、ひとつ、もうひとつ・・・星がある一点から・・・順々に流れはじめた。。


まるで、雨の様。。  カメさんの涙じゃない。。。




たくさんの・・・流れ星。。。  ・・・流星群。。。






〝ボクの願うのはー! たったひとつー!〟




たくさんの星が流れているけれど・・・、





〝この、たった一つの願いを・・・聞いてください――!!〟






        〝にいちゃんの幸せをいつも守っていてー!
          いつまでも・・見守っていてくださーいー!
          ただ、これだけですー!
          にいちゃんが、いつまでも幸せであります様にー!
          ・・・それ・・だけ・・。。〟







カメは、流れる星をひとつひとつ追いながら・・、


たった一つの願い事を



空に向かって伝え続けた。。。


















       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









空が、明るんできた。。


いつもと変わらず朝がやってくる。。。





風がひんやりと・・カメの頬をなぞっていった。。






カメは、


砂浜を しっかりと、



ゆっくりと、




一歩ずつ、





海へ向かって歩いていた。









カメの足許に波が くすぐりに来る。。







カメは、じっと海の彼方を見つめている。







そして、



一歩、前に進む。。   もう、陸の方に振り向く事なく。。





いつものように海に潜っていった。。。








海に抱かれる様に。。。









大海原へ。。。














                = 完 = 



 
 
 


 

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by sino-kotoha | 2013-10-11 12:20 | 創作小説 『カメのおんがえし』 | Comments(8)

「カメのおんがえし」 19 ~戸惑い・・涙。。~

〝カメ〟は、まだ木の上に そのままで居た。。



〝どうしよう・・・。 どうなるんだろう。。
・・・ボクは・・これから・・どうしたら・・いいの・・。。〟

哀しくて・・、辛くて・・・、涙が止まらない。。。



〝おほしさまぁ~~~。。
どうしてこうなったのォ~~~。・・恩返し・・したかっただけなのに・・・・・。〟


〝どうして・・・。
どうして・・・何が いけなかったのー? ボク・・・悪い事してないよ。。〟


〝わからない・・・。 わからないのに・・・、とっても苦しいよ~~~~!!!〟




居た堪れなくなって「お星さま」に呼びかけていた・・呼んでみるしかなかった。。





夜空の星がチカチカと瞬いたようだった。。


〝にいちゃんに・・解ってもらえなかった。。
・・・明日から・・ボクは、どうしていこう。。〟


〝カメ〟は ギュッと目をつぶり、木にしがみ付いていた。。







≪かめさん~。 カメさ~~ん!≫

その声にハッとして星空を見上げて〝カメ〟は もう一度呼びかけてみた。


〝ボク・・、これからどうなるの――?・・・どうするのがいいの――?・・・・・〟
涙で訴えてみた。。


≪カメさんは、どうしたいの?≫

〝・・・え~っ・・・?・・。〟

≪・・・「カメさんが どうしたいか?」・・・なのよー。≫

〝そんなの言ったって――!  ・・・わからないよ・・・。〟

≪人間になれるという不思議の力をあなたに送ったワタシ達だから、
精一杯の事は してみましょう~!
だけど、カメさんがこれから「どうしたいか?」・・・なのですよー。≫





同じような「どうしたらいい?」であっても・・・
依頼心の強い気持ちで問うのと違い、方向を定める為の・・・決心と。。。


その事を、「お星さま」は、カメに訊きたかったのだ。





〝・・・わからない・・・、わからないよー。。〟


〝もう、ボクは・・・人間になる必要がなくなった・・・。 声も出せないー。
・・・・・何も通じない。。。 それに、会ったって「どろぼう」って思われてるー。。〟


≪・・・・・・。≫
星達は、黙って聴いていた。。



〝ふ・・・ふぇ・・・ふぇ・・ぇ・・~~ん~~~~~。。。〟


〝カメ〟は泣き出してしまった。


≪どうしたの・・?心に詰まってるもの、言ってごらん。。≫


カメの心境は、痛いほど解っているのだ。
だけど、敢えて そのように訊ねた星達だった。。




〝・・・ゥ・・・ぅえっ・・えっ・・・・。。。 も・・・もう・・・ハ・・はな・・し・・が・・・・・・!〟


カメは・・・感づき始めていたのだ。。
もう・・・、心で交信し合う事もないと。。。
だから・・・、会話を持つ事も・・・、だから・・・一緒に行動を共にする事も・・
出来なくなると。。。



      ・・・・・・・だから、どうしたいて言ったってー!・・・・・・・





暫くして・・・〝カメ〟は、涙を拭きながら・・、もう一度・・言い直した。


〝・・もうね・・。 ・・・きっと話せなく・・・・ぅ・・・ぅッ・・・なるって・・・気がする・・・。〟

嗚咽を漏らしながら・・・

〝で・・・でもっ・・・・ぅ。。。  ボク・・・、ボク・・・!〟



≪・・・カメさん・・・。。  カメさんは・・今とっても辛い。。
その辛いのは・・「どろぼう」に間違われた事よりも、
青年に解って貰えなかった事。。
・・・そうよね。。。≫


〝カメ〟は、もう言葉に出来ず・・泣いているだけだった。。



≪カメさんは、「にいちゃん」が 大好きなのよね。。
本当は、ずっとずっと一緒に居たかった。。 いっぱいお話もしたかった。。
かめさんが嬉しかったから・・、「恩返し」をしたかった。 ・・・だよね。。≫


〝ホントは・・・ホントは・・・、「恩返し」した後の・・にいちゃんの笑顔が見たかったー。
にいちゃん達が・・・、にいちゃんが・・!幸せになったら・・・!ボクも・・・
ボクも・・・! 嬉しいからっ・・!〟


≪うん、うん。。
そうね。。青年は・・、亀であるカメさんは見てくれると思うよ。。≫

〝・・・・・。 ・・・でも・・。〟

≪うん。。 もう、お話出来ないって・・思うんだね。。 ・・・わかるんだね。。≫



〝カメ〟は「会話」が交わせない事・・それがどんな事なのか・・判るのだった。
せめて、青年の言っている言葉だけでも分かれば・・。
だけど、それも・・・出来ない事が・・・(思いたくなくても)・・判る。。。



自分の言葉も・・・もう届かない。。。



そういうこと。。。




カモメの爺さんが 言っていたことを思い出しながら・・・
〝だけどー!・・・・・・信じていたいよ・・。〟




        信じていたいよー。
        ・・・信じて欲しいよ。。。  






しばらくの時間が過ぎて行った。。。


≪・・カメさん。。 ショックが強すぎたね・・。
今夜は・・・私達の力で、あなた(少年)を浜辺まで送ってあげるわ。。
答えは・・・今は出せなくてもいいよ。。
どんな答えでも、カメさんの「思う」事こそがあなたの確かな支えに
なるのだからね。≫


その声が聴こえた後、少年の体が ふわ~っと空中に浮かんだ。。



優しい光に護られる様に包まれながら・・・、上空を渡ってゆく。。。






潮騒の音が聴こえる頃、〝カメ〟は お星さまに訊ねてみた。


〝ねぇ・・。。 もう、このまま・・・ボクを・・亀の体に戻してくれる・・?〟




眠る体の横に降ろした 星達は・・、
≪・・・いいのね。。 もう二度と人間には戻らなくていいのね。。≫


〝うん。。 いいよ。。
ボクは・・、カメだもん。。 ずっと カメで来たし、これからも ずっと・・・。〟


〝人間には どっちにしてもなれないよ。。
もし、強い魔法が掛ってなったとしても、きちんと言葉が声が言えても、
きっと、ボクは・・・やっぱり・・カメだから・・・!〟




星達の力で・・空を移動している時、「声」を頼もうか?とも思ったりした。
だけど、今の自分では「人間」の中に行く事さえ出来ない。
その勇気もない。。




〝ボクに・・・、本当に必要なのは・・・「勇気」なのかも知れない。。〟



≪・・・。 「勇気」は・・ワタシ達が あなたに与えるものじゃないわ。。
あなた自身で 掴む、持つものよ。。。≫




カメが、つい呟いたのを星達は聞いていて、そう答えた。。
 








 
 
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by sino-kotoha | 2013-10-08 08:13 | 創作小説 『カメのおんがえし』 | Comments(2)

「カメのおんがえし」 18 ~満月の夜・・大きな真珠~

カメが目を覚ました時は、もう少年の姿になっていた。。


少年の淡い光をも包み込む光が、その頬に触れている様。。。




今夜は満月。。
その中で ゆっくりと大きく息を吸い込んで、そして吐いた。




海がキラキラと反射して輝いている。


いつものように少年のカメは、海へと潜っていった。。







〝わぁ・・・・・。 今夜は、たくさん取れたァ~~~!〟

開ける貝 すべてに必ず入っていたのだ。 ・・・中には大きいものもある。



〝これなんか・・、お月さまみたいだなぁ~~~。〟

指先で眺めていると、まるで虹色の光も持った月の様。。




海底を見渡した時、貝も たくさんそこに居た。
勿論、むやみには取らない様にしている。。
それでも、掌に載せてみれば、この間よりも数はあり・・優しく輝いていた。



少年のカメは、それらを大き目の貝殻に入れ、大切に胸に抱かえ、
スクッと立ち上がった。


〝今から・・・、これを持って行こう~。 ちょうど いい時間に着くだろな~。〟


その時間なら 誰にも見つからず、これに気付いて貰えるのは朝だろうと・・
そう思ったのだった。。





真珠を落とさない様に ゆっくり歩きながら、
この間の「にいちゃん」との会話を思い出していた。


 



   『いいさ~。真珠のお陰で、だいぶ楽になってるんだ。』

                 ・
                 ・
                 ・

   〝また集めておくね。〟

   「いつも悪いな・・・。 俺が潜れないばっかりに・・・。」

   〝全然、かまわないよ~。〟

   「う・・・ん・・・。 ホントに助かっている。 おっかーは 歳のせいもあってさ、
    兄貴が亡くなったのが一番の原因もあって・・、体も無理してたかな。。
    長く掛かるんだ。。。 
    だけど、よく効く薬の・・お陰・・で、助かっ・・・た・・よ。」


   〝・・・(?) ・・・(急に聴き取れなくなった。何だ?)・・。〟


   「・・よく効・・く・・薬ってさ・・、す・・ごく・・・タ・・カ・・い・・ンだ・・・・・ョ・・。
    い・・マ・・・まデ・・・ダッ・・・・たら・・、ゼッタイ・・! 買え・・ナ・・・かったタ・・・。」







・・・どうして、あの時 急に聴き取りにくくなったんだろう?・・・
それでもなんとか聞けたから、いいのかな?と思いながら。。。






   「後は・・、滋養の・・あるもの食って、俺に任せて のんびりしろって、
    おっかーに・・言ったんだ~。安心して・・もらいたくてさ~。」


   〝・・・(やっぱり気のせいか・・・。)〟


   「だ・・けど・・・、嫁が・・早め・・に・・・治した方がいい・・と言って・・・る。
    薬を・・・・もう・・一度、買っ・・・て・・きて・・・あげ・・ル・・・・・って・・さ・・・。
    折角・・の・・カメさ・・ん・・・の・・・好・・意をム・・ダにしては悪いってね。。」


   申し訳なさそうに言ってた姿にをみて、カメは言った。

   〝気にしないで~~!大丈夫だよ~~!
    お星さまと 約束して取って来るだけだから~。
    ボクは、深く長く潜れるから~、取って来れるだけだよー。〟
   

   青年は俯きながら答える。。

   「俺なりに、・・養って行こうって思ってるんだ・・・けど・・・
    ・・・・すっ・・かり・・・甘え・・・・て・・しまって・・・・」

   〝いいよー。 ボクにできる事をしてるだけ!
    それしか出来なくて・・・。 でも幸せになって欲しいから~~!〟





    〝ね!!  にいちゃん!!〟


                 ・
                 ・
                 ・
                 ・
                 ・




あの時、にいちゃんは聴こえてなかったのかなぁ。。。

にいちゃん・・・、いろいろ考えごとをしていたんだね・・・・・。




そう思いながら、ふぅ~っと溜め息をつき、青年の家の方へと歩いて行った。









家に着くと、奥の方で人が起きている気配もあった。
まだ灯りも灯されている。。



〝・・・ちょっと、早く着いちゃったかな~。〟


普段、重い体で移動しているせいか、
その言葉通り「身軽」になって動きやすい。


この間の人の集まった時とは違って、とても静かな夜の空間が
心地よく安心できた。



少し玄関が開いているようだ。
大事に持ってきた真珠を戸の内側へと、あの日と同じ様にそっと置いた。


〝これで、早く良くなってね。。。〟

コトッと貝殻ごと置いた・・・つもりで、
うっかり あの大き目の珠を転がしてしまった。

少し奥に転がったその珠をそ~っと手を伸ばし拾ってその中に置こうとした。

その時、
「だれ?」

〝!〟


手には、まだ置く前の状態で珠を持っている。


〝(見つかっちゃった~。)〟

少年姿のカメは、ペコっと おじぎしようと思った瞬間・・・!

「・・・! ど・・ド・ロ・ボ・ウ―?! どろぼう―――!! 誰かぁ~~!!」
嫁さまの声を聞いて「にいちゃん」と よく似た初老の男の人が奥から出てきた。
その後ろに遅れて、そっと老夫人も様子を伺っていた。


「大丈夫だ、大丈夫だ!わしが ついておる!」と、青年の父。
「まだ 寄り合いから 帰って来ないのかえ~?」と、母親が訊く。
嫁さまは、警戒しながら、
「もう終わる頃なんだけど・・あ~、早く帰って来てー。」


少年のカメは、首を横に振り・・・軒から後退りしながら、
〝違う!違うよー!どろぼうじゃないよー!・・ボクだよ~~~!!!〟


だが、声が届く事は無かった。

あの「不思議現象」が 始まった夜、〝お星さま〟が言った通り、
今まで 分からなかった人間の言葉が今は声ごと・・何言ってるか理解出来る。
が、自分の言葉は・・・否、声の音を出す事すら出来ないでいた。 
叫ぶ事も・・・・・!


〝カメ〟は逃げ出したかった。
だけど、解っても欲しかった!


〝でも・・・!!! 怖い・・・・!!! 〟


体が小刻みに震えていた。。
〝カメ〟は、その場から 後ろに振り返り、走りだした。


と、その時!
何かとぶつかって、〝カメ〟はよろめき尻もちをつくような形で転んでしまった。


「ぅわぁ! な・・何だ?!  ・・・おい?大丈夫か?」

その声が、直に耳に伝わって来た。
懐かしい・・・〝にいちゃん〟の声。。


〝にいちゃん――! ボク・・・! ボクだよ――!! ・・解ってー。。〟
少年は口をパクパクさせているだけだった。。


「どうした? ん? 見ない顔だなぁ。 家は何処だ?送ってやろうか?」

少年は、首を横に振るだけ。

「子供が、こんな遅くに・・・。 家で心配してるぞ。」
いつもの笑顔で、手を取って起こそうと 近づいてきた。


〝に・・い・・ちゃぁ~ん・・・。。〟

半分ベソかきそうな顔で、その手を取ろうとした時!


「あなたァ~~~!! その子、どろぼうよ―――!!」
嫁さまの声に、青年は振り向き・・、また、少年を今度は驚いた顔で見、
「あなたァ――! 捕まえて~~!」の声に、青年は悲しい瞳で少年を見ていた。


〝にいちゃ~んー! 解って――! ボクだよ―!〟


      どうして? どうして、そんなに悲しい目で見るの~~?
      ボクのこと 解って――! 信じて―――!!



〝カメ〟は、心が通じない事が 段々と悲しくなってきた。


〝ボクが、どろぼうと思って、悲しい目をしてるのー?〟



青年は〝こんな子供〟が 盗みを働いてしまったという事に対し、
哀れに思っていたのだった。。

「子供」と言えども どろぼうだ、捕えて厳重に注意をしなければならないと、
〝少年〟の方へ歩み寄ろうとした。


〝カメ〟は、後退りをしながらも、必死で声を出そうとして・・・。

でも その声は出すこと出来ず、喉の奥の焼ける様な痛みが増すだけ・・・。

「ヒぃ~~~! ・・キィ~・・・!!  ・・・にィ~~!」

涙が口の端から喉へと流れ込む。


「ヒゃ・・ッ・・! に・・。。  ・・・に・・ にィ・・チャ・・・あ・・ぁ・・・ん・・・。」

首を横に振りながら、後退りはするものの、目は青年の顔を見ながら・・・!


非常に怯えてる子供をどうにかしようと言うのでない・・と 青年はそう思っている。
「怯え」は、もう反省をしているだろうと思ったからだ。。


 =「カメさんの折角持って来てくれた真珠を盗もうとしたのよー。」=
 =「まだ こんな子供が・・・! 末恐ろしい~~!」=
 =「最初が肝心!きつく叱ってやらないと!人様のもんに手を出してー!」=

など・・・いろんな言葉の渦が〝カメ〟に襲いかかって来る。
家の奥から、家族の者が出て来て様子を伺っている。。
青年は、少し厳しい顔をして、〝少年〟を捕まえようとした・・、その時!
〝カメ〟は、サッと立ち上がり その場から素早く離れた。

そして、もう一度 振り返り、力の限り叫んでみた!



     『にィ・・チャ・・・あ・・ぁ・・・ん・・!』



青年には、その声は「イヤー!」と聞こえた様な気がした。。
が、何処となく “懐かしい言葉”・・・・・。 

     =「兄ちゃん?」=

そんな筈が無い、弟は いないのだし・・・と思いなおした。



〝にいちゃん・・・。 気づいてくれない。。〟

〝カメ〟は とても哀しく寂しく・・そして悔しい気持ちも何処かに持ちながら・・、


 ―― そう・・・、自分自身がとても悔しい・・そんな気持ちを感じながら・・・――


そこから、全力疾走で駆け出した。




「逃げたぞー!!」
「待て――!」


〝カメ〟の目には涙が溢れ・・何度か拳と腕で拭うものの・・留まることなく・・、
目の前が滲んで何も見えない、見れない状態のまま・・、
でも、それでも必死で走った!


確かに 足は速かった。
しかし、途中で何度も躓きそうになり・・何処ともなく血が滲んでいる様子。。

だけど、走った!  海へ向かってー!!




  〝こんなくらいなら・・・、ずっと亀のままの方が よかったのかなぁー。〟

  〝にいちゃんと、ずっと・・ずっと「トモダチ」で いたかったよォ――!〟






足が速い、少年の姿の〝カメ〟。。
だけど、背のある大人の方が、どんどん 追いついて来る。
このままでは、海へ着くことも出来ない。
そう思った〝カメ〟は、夜道から少し外れ、林の方へと逃げた。


少し太めの木の陰に一旦身を隠し、どうしようか迷っていた。

〝どうしよう・・・。 ・・・木・・・の上?・・・。〟

何故 そんな事を思いついたのか?
亀が木を登るなんて、聞いた事が無い。
登れるかな?・・と思ったものの、躊躇ってる時間は無い。

『人間の手足』を持つ〝カメ〟は、思い切り 蹴り上がる様に
上へ上へと 登って行った。



太く・・、そして高い木であった。

下では、探している様子が感じられる。。



「・・・・・。 見失ったようだよ。。 あの子供も かなり反省してたと思うよ。
さ、もう いいだろう。 帰ろう。。」
「だって、また来たらどうするのー? きちんと、注意しなきゃ・・・・!」
「だから、もう大丈夫だって。。
大人のさ、賊って言うんなら、村総出で捕まえるけどな。」

両親は きっと家で待っている、見張っているんだろう。。
若夫婦で あとを追って来たのだった。

「だけど・・・!だけど、怖いわ!子供でも・・・。」
「あんな小さい子だったじゃないか。 大丈夫だ!俺が居るからいいだろ・・!
もしも、また悪さをしたら、今度こそは きちんと捕まえるよ!」

「カメさんの真珠・・・、狙われてるのかな。。」
「もういいよって、俺からも言っておくよ。 あいつ(カメ)も大変そうだから。。
最近、あまり話さないんだ・・。 疲れてるんだろう~。」
「あ、でも、それじゃ~お金・・・お薬も・・。」
「仕方ないじゃないか・・・。 俺が 働くしー。
どうしてもって時は・・、その時はその時でさ・・・。」



二人の会話が下の方から 静かに空気を伝って届いた。。








頭上には、星たちが輝いている。。




〝お星さま〟に・・、ほ~んの少しだけ近づいた所に居る。。。




〝カメ〟は お星さまを見上げながら・・・

・・・ どうしたらいいのか、分からなくなっていた。。
 





 


 
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by sino-kotoha | 2013-10-05 14:37 | 創作小説 『カメのおんがえし』 | Comments(0)

「カメのおんがえし」 17 ~言葉~

あれから何日か経った。。
嫁さまが寄る時は、まだ渡せないでいる。



もう そろそろ言葉を交わせてもいい筈なのに・・・と思いつつ、
カメは 爺さんカモメに話してみた。


爺さんカモメは・・・
“数を話したから「トモダチ」と言うんじゃない。 思い出してご覧よ。
あの青年と〝いつ〟話せた?”

〝・・・直ぐだった・・・よ。。 だがら、あの時は 驚いた。〟

“じゃろ?「信頼関係」をお互い持つ者同士だったからじゃよ。
「信頼」って分かるか?
相手の事を「信じる」「信じられる」ということじゃ・・・。 ”

カメは〝うん〟と頷いて聞きながら・・・、
〝だったら・・・、ボクが嫁さまを信じていないって事?
にいちゃんのお嫁さんだもの。「働きもん」でいい人だと思ってるんだけど。〟

ふ~む。。と 爺さんカモメは考え・・・、
“お前さんじゃなく その嫁が まだどこかで「亀は話さない」と
思ってるんじゃろか?”

〝・・・・・。それはボクも・・そうなのかな~と思うよ。。
でも、一回だけ話が分かった時があったんだよ~。 
だけど、いつもは口を動かして何か言ってるだけ。 何も分からない・・・。〟

“わしが その場に居れば、何とか分かるかも知れんじゃがのう~。
今は・・・何も言えんがのう~。”


まぁ~、いいよ、その内だよと、爺さんカモメに言いながらペコっと頭を下げて
「ありがと」と お礼を言った。



〝あ、も・・(ひとつ・・・)。。〟

と言い掛けたが、言葉を呑みこんだ。




この数日間の内、二回ほど 青年に会えた。
時間の余裕が出来たこと、それはカメにとっても安心だった。
何よりもまた「逢うこと出来る」のが嬉しかった。

真珠は・・・ほんの三粒ほどだったけど、青年に渡した。
嫁さまの時は、渡してないので、此処に来る回数も減って来たような気がする。


青年は、これからは所帯も持った事なので、村の寄り合い・祀り事の協力にも
積極的に参加しなければならない。
「また、暫くは来れないよ。  前なら夜でも来るんだけど、今はなぁ~~。」
〝ボクは、いつでもここで待ってるよ~~。〟
カメはそう答えたのだ。

またすぐに逢えるさ~と。。。


〝いっぱい仕事、増えちゃった?〟
「いいさ~。真珠のお陰で、だいぶ楽になってるんだ。」
にっこり答える青年を見ながら、カメは・・
青年が、痩せていたのが解消されてきている事に気づいていた。


〝ほんとうに よかった~。。〟








・・・・・・・・・。

ただ、少し気になる事があった。。


この間の その会話を思い出しながら、海の方を眺めていたカメは・・・、

〝どうして?  ・・・どうしたんだろう?〟

嫁さまの事なら兎も角、
青年とも会話の中に時折、雑音(ノイズ)の様なものを感じた。


また、カメは実はまだ青年に向かっては「にいちゃん」と呼んだ事が無かった。
その「にいちゃん」の横顔を見ていて・・・、初めて呼び掛けてみたのだった。

だけど、全然 気づく様子が無かったのだった。
普段は、振り向いてくれるはずなのに。。


〝ボクの耳がおかしくなったのかな~? それとも・・・
人間に何度もなってる内に、話が出来なくなって来たのかな~~。〟


とっても寂しい気持ちになって来たカメ。。




    最初は、カメだったから話が出来た?
    夜だけと言っても、人間になるから?

    ・・・・・・・・・・・・・・。
    いつか・・・いつか、仮の人の形じゃなくて、
    本当の人間の子になれるのかな~。。

    だったら・・・!
    だったら、にいちゃんの「弟」になりたい!
    だったら、ずっと一緒に居られる!暮らせる!

    でも・・・・・・。
    それは、ならないだろうな。。。   なれたらいいなぁ~~。




寂しい気持ちを消す様に「不思議な事」が起きたら~と考えてみたが、
余計に、寂しさが募って来てしまった。。





〝・・・・・・・。 だめだよ。。 寂しがってたら・・・にいちゃんに恥ずかしいぞ。。〟


〝ちょっと、疲れちゃったのかも~~~。ヨシ!今からたくさん寝ておこう!〟




自分自身に言い聞かせたカメは、首をすくめて 目を閉じてみた。。







目を閉じても、今までの想い出が浮かんでくる。。


〝・・・ボクも・・・早くお嫁さん来てくれないかなぁ。。〟





独り言を言いながら、瞼をギュッと強く閉じたのだった。。。






 
 
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by sino-kotoha | 2013-10-02 15:35 | 創作小説 『カメのおんがえし』 | Comments(0)